ジャカルタのコンビニ中で談笑するインドネシア家族達。おしゃべりが日課だ。 |
■世界第4位の大市場、しかし課題も明確
インドネシアは2億5千万人と大市場で、ネクストチャイナとして日本企業が最も投資有望と見ている国だ(2013 日経)。しかし、首都ジャカルタなどでの渋滞、毎年の洪水、ネット環境の脆弱さ、世界有数の賄賂がまかり通っている難しい国でもある。
■1枚岩ではないインドネシア人、どの層を狙うか?
しかし、インドネシアには300もの民族国家であり、ジャワ人やスマトラ人など日本で言う東京や大阪のように気質も違えば言葉も違う。共通言語がバハサ・インドネシアである。また宗教もプリブミ(原住民)のイスラム教、華僑を中心としたキリスト教、仏教、ヒンドゥー教に分かれる。ここにターゲティングの大切さがある。
■日本に観光に来ているのはインドネシア人華人が殆ど。
イスラム教対策で訪日数倍増に期待
事実、日本ではハラル(イスラム合法)の話題が多いが、実際9割型訪日観光しているのはインドネシア人華人だ。インドネシア華人にはハラルは関係ない。キリスト教か仏教が多いためだ。しかし、2013年7月から50万円以上の貯蓄があれば現在日本観光のビザが取れるので、インドネシア人中間層にとっても敷居が低くなった。これからはお祈りの場所やハラル料理の整備が整えば、インドネシア人観光客は数倍増するだろう。実際、インドネシアプリブミと話すと「マレーシアはイスラムの国だから何をするにも楽」とイスラム教徒ならではの観光地の選び方を行っていることに留意したい。
■華人もプリブミも「おしゃべり」好き
インドネシアには”Mangan ora mangan asal kumpul
“、「食べなくてもおしゃべりして集まろう」ということわざがある。実際、コンビニに行っても、道端でも、座り込んでおしゃべりしているインドネシア人たちを見る。何を話しているか?テレビの話題から人の噂、政治の話までごちゃ混ぜ(チャンプルー)だ。 ぜひ一度英語ではなく、インドネシア語で「アクマウビチャラビチャラ」と話しかけてみて欲しい。英語より数倍の会話が返ってくるはずだ。
■人気のスマートフォンはブラックベリーから「大画面」スマホへ
そんなおしゃべり好きのインドネシア人に、友人家族と繋がるスマートフォンは欠かせない。昨年まではチャットBBMが使えるBlackberryが人気だったが、アンドロイド携帯でもBBMが使えるようになったため、既に韓国サムスン製のギャラクシーシリーズやiPhoneへ機種変更をしているインドネシア人が多い。今までブラックベリーの小さな画面で我慢してきたからだ。
■ソーシャルメディアを使い分け「よりプライベート」に。
インドネシア人がスマートフォンで使っているSNSは「BBM」「ツイッター」「Facebook」「WeChat」「LINE」「Path」だ。これらを友人に依って使い分けている。最近の傾向としては繋がる人数が100人に制限されているPathを使っているインドネシア人が増えてきた。Pathに投稿して、そこからツイッターやFacebookにシェアするスタイルだ。見せたい内容と、ごく親しい仲間にしか見せない内容を区別して投稿している。これは様々な民族と宗教があるため相手の気持ちを気にかける国民性であるためだ。実際、インドネシア人は日本人のように謙虚である傾向があり、こちらが恐縮してしまうこともある。微笑ましい国民だ。
■狙うはインドネシア「中間上位層」、製造業は一段落
首都ジャカルタの商業施設に行ったことのある方はわかると思うが、人口の多いインドネシアでは本当に富裕層も多い。富裕層を狙ったビジネスもインドネシアでは良い、しかし、2030年までに現在25%ほどの中間層が、75%ほどまで伸びる予測が出ている。現実的にはインドネシアに進出意欲を持つ日本企業はIT、小売、飲食、製造業(賃上げで停滞)ともにバランスよく(2014, Dejima)、経済成長に合わせて余裕を持ててきた中間上位層へ日本の商品・サービスが合うと思われる。彼らも他のアジアの中間上位層同様「多少高くても良いものを適価で買いたい」と考えている。例えば飲食では1000円もするラーメンやうどん天ぷらだし、小売ではBody Shopなど環境や素材にこだわった化粧品だったり、観光であればバジェットツアーではなく、ワンランク上の良いホテルに泊まり遊園地で遊びたいと思っている。
■インドネシア市場に対し、SNSをどう活用するか?
インドネシアは実は、世界一のFacebookユーザー数で、ジャカルタが世界一のツイート数のSNS王国である。更におしゃべりな国民性から、SNSをビジネスに活用しない手はない。具体的には
①ターゲットをどの民族の、どの層に向けてPRするかを決め、
②彼らの使うSNS(多くはFacebookとツイッターとWeb)でどんどん会話を弾ませるといい。もちろんインドネシア語が必要だ。
③最後に実際にインドネシア人が商品に触れられる機会をつくろう。実店舗や観光インバウンドでなくても、プレゼントキャンペーンでもいい。手に取らせてまた消費者コミュニケーションを続けよう。 そうしてブランドをつくっていくことが出来るのが、アジア最大の新興市場インドネシアの魅力である。
(アジアクリック/高橋学)
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