私のいるマラッカは風の気持ち良い日が続いています。おかげで週末外で過ごすのに熱い太陽を気にしなくてすみ、最高です。友人たちと出掛け、昼食を選ぶ。肉は美味しいし、飲み物はすっきりさわやか。マレーシアで食べるのが私は大好きです。
私は日本で過ごしていた日々を、未だに思い出します。美味しい料理を求めてあちこち旅してまわるのが好きでした。日本料理は味が素晴らしく、また素材の鮮度は間違いなく世界で1番だと思います。先ごろ和食はユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、そのような和食を食べるために、長距離ドライブをする価値があります。私は週末かけて、ひつまぶしや蕎麦を食べに行ったりしていました。
日本料理は美味しさにもかかわらず、我々イスラム教徒は常に「ハラルフード」に気を配らねばなりませんでした。「ハラル(Haral)」とはアラビア語からきていて、「合法の」「許された」という意味の言葉です。なので、「ハラルフード」とはイスラム教徒がラベルことを許された食べ物のことを指し、反対に食べるのを禁止されているものを「ハラム(Haram)」と言います。イスラム教では、禁止された食材が含まれていない限り、全ての食品はハラルと考えられています。これはつまり、イスラム教徒が一般的にすべての禁止食材(ハラムフード)を覚えていてそれらの飲食を避けている、ということを意味します。言い換えると、イスラム教徒はハラルフードだけを口にしている、ということになります。
(ハラルロゴの一例)
ハラルフードに禁止食材は含まれていません。我々が口にしてはいけないものは、例えば豚です。豚はその肉に限らず、ゼラチンやラードといった豚由来のもの全てダメです。豚はどんな形であっても―新鮮でも、調理されていても、加工されていても、油もその他の部位すべて―食べることが許されない、唯一の肉類です。
他に禁止されているものは、イスラム教で示されている方法で屠殺されていない動物の肉です。つまりイスラム教徒はイスラム法に従って屠殺された鶏肉、牛肉、羊肉だけを食べているのです。豚肉は食べるのを禁じられているので、他の肉のようにイスラム法にのっとって屠殺されていても除外されます。
アルコールも、どんな原料から作られていても、イスラム教では禁止されています。忘れてはならないのは、料理酒やワイン、みりんなどの酒類、アルコールドリンクも一切ダメ、ということです。料理に使われてもいけないので、例えば赤ワインソースを添えたステーキや、ラム酒を使ったティラミス、日本料理だとみりんを使ったものは食べられません。
多くの口にしてはいけない食べ物が我々にはありますが、海産物はハラルなので全て大丈夫です。魚やエビ、カニ、イカなどといった、海からきたものはイスラム教ではすべて合法となっています。ここで気をつけたいのは、そういった食材も先ほど挙げたみりんやゼラチンとなどの禁止食材・調味料・飲料と混ぜてはいけない、という点です。それらを使って調理してしまうと、海産物もそれら同様食べることが許されなくなります。
日本に来る前に、有名な神戸牛や広島のお好み焼き、仙台の牛タンといった、他の国では味わえないものの存在を聞いていました。しかし残念なことに、上記の理由からそれらを食べることができず、ついに私はそれらを味わうことのないまま帰国してしまいました。それでも、日本滞在中に色んな魚の寿司や、たこ焼き、ひつまぶし、てんぷら(私の大好物!)といった、今まで食べたことのない美味しい料理を食べられたことは、とても嬉しかったです。
イスラム教は信者に対して、飲食物を含めた「生き方」を教えています。ランチでどこへ行くにしても、日々適切な食材を選ぶということは難しく聞こえるかもしれません。しかし、イスラム教徒はこれを長いあいだ実践してきており、ベジタリアンや他の宗教の人々と同じように、全く気にならないことなのです。
次の記事では、私が数年間の日本滞在中にどのようにハラルフードを探していたか、という経験をみなさんにシェアしたいと思います。Jumpa lagi(ジュンパラギッ)!
(アジアクリック・マレーシア担当/シャフィク)
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