2014年7月16日水曜日

アジア富裕層ビザなし訪日は有効か?

大前研一氏 アジア富裕層はビザなし訪日可能にすべきと提案
http://www.news-postseven.com/archives/20140715_265785.html

という記事を読んだ。
シンガポールを拠点に、ASEAN及び台湾香港の訪日観光PRに携わる者として、現地からも大いに賛成させていただきたい。




◼︎アジア富裕層の求めているもの 〜本当の体験と安心・安全

理由として、
①アジア富裕層でも日本ビザ申請は面倒であり、気持ちが遠のく。
②ASEANの人々が世界で最も観光したい国は日本である。
③アジア富裕層はより高い質の体験、サービス、商品、安心安全を求めている。
④富裕層にこそ響きやすい高価値で文化的な観光コンテンツを日本は持っているし、開発している
⑤日本は最も観光コストがかかるが、富裕層はお金はいくらかかっても良い、貴重な体験を求める

つまり、富裕層はお金では買えない体験を求めているのである。
韓国や台湾、タイよりも表現しにくい貴重な体験ができるのはどこか?
歴史が長く、独自の文化を育ててきた日本である。

◼︎富裕層には精神的に豊かになる体験を 〜老夫婦からのビデオレターに感動

先日、シンガポールの富裕層20人が高知の網引き漁を一緒にしたお爺さん夫婦からビデオレターをもらい、更なる富裕層を引き連れて再訪したという出来事があった。

彼らは中国で不動産で一山当てた成金とは違う。多くは4.5台続いた華僑の名家であり、欧米の大学院を修了した教養ある文化人である。

◼︎桜や温泉はライバル国のものになりつつある

昨今、韓国は桜を、台湾は温泉を広告の要に使ってASEAN中でPRしている。日本の無形資産が韓国のもの、台湾のものと認識され始めているのである。


台湾PRに温泉を全面に出している。
韓国は、桜を前面に出した広告展開

また、訪日外国人は、昨年ようやく念願の1000万人を突破したが、人口500万人のシンガポールには1500万人、人口2800万人のマレーシアには2500万人の外国人観光客が訪れ、抜本的な制度改革をしないと世界的な観光客誘致合戦でますます差をつけられてしまう。


お金が全てを測る物差しではないが、親日で教養もあり日本の文化歴史、季節や地域間の小さな違いの分かるASEANの富裕層になら、日本の門戸を開いても良いのではないだろうか。
(アジアクリックシンガポール/高橋学)

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