2014年1月7日火曜日

台湾のソーシャルメディア事情——地元SNSの特徴と、Facebook活用が進む台湾市場

台湾のソーシャルメディア事情——地元SNSの特徴と、Facebook活用が進む台湾市場

当記事の3行まとめ

  1. 台湾はネットユーザーの97%がソーシャルメディアを利用する、アジア有数のSNS浸透国
  2. Facebookが圧倒的だが、地元SNSのPLURKや中国製のWeiboも独自の役割を担っている
  3. ビジネス活用ではFacebook一択で、特に飲食店分野では★評価とチェックイン数が来店動機を左右する

前提:親日と中国大陸との緊張が共存する台湾

台北からアジアクリックの高橋学です。台湾は親日派が多い一方、中国大陸との関係に関しては立場が分かれる社会です。繁華街では台湾独自の宣伝活動を行う車両が走り、それに対抗する形で中国大陸の共産党系の宣伝車両も走っているという光景が見られます。

中国と日本の文化が共生する台湾において、ソーシャルメディアの利用は極めて活発です。本記事では、台湾SNS市場の構造を、利用率・主要SNSの役割分担・ビジネス活用の3つの論点から整理します。

① ネットユーザーの97%がSNSを利用——アジア有数の浸透率

台湾ではネットユーザー1,154万人のうち、97%にあたる層がソーシャルメディアを使用しています(台湾comScore調査)。月間平均閲覧時間は6.46時間、閲覧ページ数は524ページにも達しており、SNSが日常生活に深く組み込まれていることが数字でも確認できます。

これは台湾の人口規模を踏まえると、総人口の約半数がSNSを使っているという水準です。市場としてのSNS浸透度は、アジアの中でも最上位グループに位置します。

② Facebook圧倒的、PLURKとWeiboは独自の役割を担う

台湾人がどのSNSをどれだけ使っているか、月間平均使用時間で見ると、Facebookが1ヶ月あたり415.8分と圧倒的な数字を記録しています。

ただし、台湾のSNS市場をFacebook一極で捉えるのは正確ではありません。地元発のPLURK(プラーク)が、特に20代女性を中心に掲示板的な用途で使われ、健闘しています。中国製のWeibo(微博)も一定の利用層を持っています。

興味深いのは、女性ユーザーのコメントやシェアの量で見ると、PLURKやWeiboがFacebook以上に活発という調査結果です。台湾の女性ユーザーにとって、これらのプラットフォームは深い議論や情報交換の場として機能していることを示しています。

それぞれのSNSの主な利用目的は次のように分かれています。

  • Facebook:ファッションなど買い物の口コミ
  • PLURK:アプリなどの口コミ
  • Weibo:芸能情報など娯楽

プラットフォームを目的別に使い分ける文化が、台湾のSNS利用の特徴です。

③ ビジネス活用はFacebook一択——飲食店分野では★評価とチェックイン数が来店動機を左右

ビジネス活用という観点で見ると、台湾市場ではFacebookが事実上の一択です。総人口の半数がFacebookを使っている以上、消費者にリーチする最短経路がここに集約されます。

特に活発なのが飲食店分野で、居酒屋などではFacebookページが乱立する状況になっています。Facebookページ上での値引きキャンペーンやプレゼント企画による誘客に加え、ページに付与された★評価とチェックイン数自体が、来店動機を左右する要素として定着しています。「Facebookで評価が高い店」という事実が、新規顧客の意思決定を直接動かす市場構造になっているのです。

④ 台湾でのPRは「3本の矢」——Facebook・ブログ・モバイル

台湾市場でのPRを設計する際の構造を、私は「3本の矢」として整理しています。

1本目はFacebook。本記事で見てきた通り、ビジネス活用の中心です。

2本目はブログ。台湾では個人ブログ文化が根強く、特定領域の専門ブロガーが消費者の購買決定に大きく影響します。

3本目はモバイル。スマートフォン経由の情報接触が前提となっており、PCサイトのみの設計では届きません。

この3本の矢のいずれが欠けても、台湾市場でのPRは片手落ちになります。

まとめ

台湾は、アジアの中でもSNS浸透度が最上位クラスの市場です。Facebookが圧倒的なシェアを持ちつつ、PLURKやWeiboがそれぞれ独自の役割で生き残っているという、多層的な構造を持っています。

ビジネス活用ではFacebookが中心になりますが、PRの全体設計としては「Facebook・ブログ・モバイル」の3本の矢で組むことが、台湾市場で結果を出す基本路線です。日本の企業や自治体が台湾向けの訪日インバウンド施策やプロモーションを設計する際にも、この3本柱を前提に組み立てることが、現地の消費者行動と噛み合う近道になります。


この記事の著者

高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国、台湾・香港の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。

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