ミャンマーの正月は4月中旬で、1月1日を祝う習慣はありません。今年はたまたまカレン族の正月が1月1日が休みになりましたが、いつもは休日ではありません。それでも、若者たちは海外の影響なのかカウントダウンを楽しむようになってきました。私の住んでいるアパートからも、大晦日は野外コンサートからのロック・ミュージックが流れてきました。
今日はその1に引き続き「ミャンマーの携帯・スマホ事情〜その2」です。
ミャンマー人の友人が持つHuawei C8115。CDMA800対応で、140,000チャット(約14000円)で購入した。 |
■華為(Huawei)が強かった
私の身近のミャンマー人に、使っている携帯を聞いてみた。男性8名、女性15名の計23人だが、一人で2台持っている人がいるので、携帯の総数は25台だ。
聞いた人たち
・公務員 2名
・会社員 17名
・個人商店主と家族 2名
・小規模会社経営者 2名
持っている携帯
・華為 Huawei 14台 (56%)
・サムスン Samsun 5台 (20%)
・アップル Apple 2台 (8%)
・ノキア Nokia 2台 (8%) *2台ともフィーチャーフォン
・ソニー Sony 1台 (4%)
・モトローラ Motorola 1台 (4%) *フィーチャーフォン
サムスンが一番多いかと思っていたら、圧倒的に華為が強かった。それに、スマホ率が88%と日本よりも高い。調べた人たちは公務員や会社員などの中流の人たちが多い。給料は月に1万数千円から3万円くらいの人たちだ。他は小規模の会社と個人商店の経営者が多少いる。
■2年前まではサムスン
私がヤンゴンに移住してきたのは2012年の9月。そのとき一番強かったのがサムスンだった。その前の2011年まではノキアが圧倒的に強かったらしい。まだスマートフォンが普及する前の頃だ。
2年前は2万円でSIMが買えるようになった年で、スマートフォンも世界的に普及し始めた頃だ。それに乗じてシェアを伸ばしたのがサムスンだった。サムスンが強かった理由が他にもある。iOSやAndroidではミャンマー語がサポートされてないので、ミャンマー語のメールやWEBサイトを見るためにはミャンマー語フォントをインストールしなければいけない。パソコンとは違いスマホにフォントをインストールするのは難しいが、サムスンのスマホでは簡単にフォントのインストールができるからだ。
その頃から華為のスマホも売っていたが、Made in China 自体がミャンマーでも評判が悪かった。普通のミャンマーにとっては高額なスマホ、安くてもわざわざ中国製のスマホを買う人は少なかった。
■1年前から華為が急激に売れ始めた
2013年4月からミャンマーで15,000チャット(約1,500円)の携帯が買えるようになった。その頃から急激に売れ始めたのが中国の華為だった。低所得の人でもSIMが買えるようになり、その人たちが買える金額のスマホというと中国製の華為だった。華為だと80,000チャット(約8,000円)からスマホが買えるという。
また、最近は携帯ショップでミャンマー語フォントやアプリのインストールを無料でやってくれるため、ミャンマー語のためにサムスンの携帯を選ばなくてもよくなった。
フィーチャーフォンだともっと安いものが買えるが、ミャンマーでは低所得の人でも無理してスマホを買う人が多い。今までパソコンを買えなかった人たちほど競ってスマホを買うようだ。今ではいたるところでスマホをいじっている人たちを見かける。そのスマホを安い値段で提供する華為、中国嫌いが多いミャンマーだが、華為は市民権を得たようだ。
■本当に欲しいのはiPhone?
今回聞いた人の中に二人だけiPhoneを持っていた人がいた。一人は韓国の化粧品会社のセールスマネージャーで給料は4万円ほどだ。もう一人は個人商店主の娘で、親からiPhoneを買ってもらった。二人ともそんなに裕福ではないが、スマホ大好きなので無理して買ったという。
何人かにiPhoneについて聞いてみた。「お金があったらiPhoneを買いたい」というのが共通した答えだった。ミャンマーでは日本と違い、携帯キャリアが補助金を出して「ゼロ円」でiPhoneが買えるようなシステムはない。現金一括で7万円以上払ってiPhoneを買うしかないのだ。給料の何倍もするiPhone、普通のミャンマー人にとっては、iPhoneは雲の上の存在だ。
■影が薄い日本製
携帯ショップで見かける日本製品というと、ソニーだけだ。車では絶対的な人気の日本製だが、携帯は弱い。ソニーの携帯もあまり人気がないようだ。まず、値段が高い。安いものでも2万5千円くらいはする。これじゃ、普通のミャンマー人には買えない。
でも、日本人だったらやはり日本製。日本以外のAndroidスマホだと、Androidの言語設定に日本語が出てこない。それに、日本語入力もできないので、自分で日本語入力アプリをインストールしなきゃいけない。ソニーのスマホだと日本語設定ができ、当然日本語入力もできる。私がミャンマーで買ったのも350,000チャット(35,000円)のソニーの製品だった。
今回、一人だけソニーのスマホを持っている人がいた。彼は華為との2台持ちだが、「ソニーは落としても壊れない」と気に入っていた。
(ミャンマー・ヤンゴン/後藤修身)
民族によって、インフラによって、消費者属性によって異なる携帯事情、情報収集の仕方。ミャンマーのみならず、アジア各国各民族各層によって異なります。
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