2013年6月26日水曜日

シンガポールの概略とシンガポーリアンの国民性 - シンガポール人観光客を理解するために

今日は都市国家・シンガポールの特徴についてお伝えしたいと思います。

マリーナベイサンズホテルの屋上プールからの風景

先進的な複合多民族国家
シンガポールは、自国資源が乏しいながらも、移民を最大限に受け入れつつ戦略的な開発政策を展開、アジアのハブ的役割を担う先進国へと成長しました。国土は約716平方キロメートルと東京23区ほどの面積ながら、中華系(74%)、マレー系(13%)、インド系(9%)、ユーラシアンとプラナカン他(3%)と複数の民族が共存し、独自のユニークな融合文化を生み出しています。人口約 507 万人(うちシンガポール人と永住者は 373 万人)、公用語は英語、中国語、マレー語、タミル語の4つ。大半の国民が2つ以上の言語を操ることができます。

複数の民族間でビジネス以外での交流は少ないものの、国民の「シンガポーリアン」としてのアイデンティティは強く、誇りを持っているのもこの国の大きな特徴といえるでしょう。「シンガポーリアン」の性格は、「キアス」という現地語でしばしば語られます。「損をしたくない」「何事でも一番になりたい」という意味で、1965年の独立以降、小国でありながら幾重の困難を乗り越え、周辺国との政治的・感情的な出来事をバネにして驚異的な経済発展を遂げた過程で育まれた気質なのではないでしょうか。

楽しみは「ショッピング」と「食べること」
シンガポーリアンにとっての楽しみといえばショッピング、そして食べること。一人当たりの名目GDPが日本を上回るシンガポーリアンの生活水準は高く、無数に存在する多種多様のショッピングセンターが、人々の旺盛な購買意欲を満たしています。また、外食産業が非常に盛んで、3食すべて外食というシンガポーリアンは珍しくありません。特に、日本料理は健康で美容にも有利なことから非常に人気があり、飲食店検索サイト「ぐるなびシンガポール」に登録されたレストランだけでも510店舗に及びありとあらゆる日本食がショッピングセンター内を中心に味わえます。その一方で、国面積が小さいシンガポールには娯楽スポットが限られ、日常の娯楽といえば「K-BOX」を代表するカラオケボックスや映画、ビリヤード位というのが現状。避暑や美食、異文化体験を求めて、日本を含めた年に数回の海外旅行を1年先まで計画している人も多くいます。

「幸運を添える」というなの点心店に列を長い列をなすシンガポール人

国を上げてのセールも年2時期ある。
普段高価なブランドも半額以下になるのもザラ。


競争社会で生きるシンガポール人たち
実は、シンガポールにはマレーシアなど周辺国や欧米から、より質の高いキャリアと給料を求めて、英語を母国語レベルに操る多くの外国人が働いています。実際シンガポールでビジネスを行うと初対面で「学歴」「キャリア」「英語レベル」をチェックされます。
大学院卒やMBA取得者が多いシンガポールビジネス界においても格差は広がっており、一般ビジネスマンは30年ローンで数千万円のマイホームを買い、子供により良い英語・大学院教育を受けさせるため、ハイキャリアはよりセレブな生活を手に入れるためにお金を稼ぎまくります。「英語と学歴」「キャリア」「サラリー」この3つが基本のシンガポールビジネスマンたちですから、プロジェクトを共にするときはその報酬もさることながら、自身のキャリアにどうプラスになるのか、チャンスなのかを計算して見極めます。ビジネス面では非常にドライだと言えるでしょう。

シンガポールでのビジネスカンファレンスの模様。
多様な民族が英語を武器に討論・主張・アピールする。

こんな都市国家で暮らすシンガポール人にとって、キャリアアップのための情報と人脈は何よりも重要です。実は、シンガポール人口507万人の内、4人に1人が使っているSNS(ソーシャルメディア)があります。ビジネスマンはほぼ使っている計算になります。
次回は、そのソーシャルメディアの紹介を通じ、シンガポール人の情報獲得の方法と、彼らとのコミュニケーション方法をご紹介します。
(アジアクリック/高橋学)


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