2013年6月16日日曜日

シンガポール人観光客に聞いた、日本でこんな観光がしたい

当記事の3行まとめ

  1. シンガポール人にとっての日本観光のキーワードは「美容・健康」「リラックス」「サブカルチャー」
  2. 食では健康で本物の海鮮料理・お肉・日本酒、文化では伝統と最新の両方を体験したいニーズが強い
  3. 近隣のジョホールバル・台湾・ソウル・バリ等が日本のライバル。日本品質を前面に押し出し、お得な情報を継続発信することが鍵

シンガポール特派員のシャロンです。私自身、友人と20回以上日本を観光した経験から、シンガポール人の日本観光に対する希望を整理してお伝えします。

シンガポール人にとっての日本観光は、東京だけでなく大阪・京都が高い人気を集めています。理由は、食い倒れツアーと茶道・着物体験ツアーの組み合わせが好まれているためです。一方、沖縄は気候や琉球の中華的な雰囲気がある上、距離も遠いため、シンガポール人にとっては優先度が下がる観光地です。

日本観光の最大のライバルはソウルです。シンガポール人にとってのソウルは、食よりもむしろ韓流ドラマの影響による美容商品の購入や、南大門での買い物が目的になっています。

① 日本の健康で・質の高いローカルフードが食べたい

シンガポール人は、スパイシーなチリクラブ料理とは違う、日本の健康的でおいしい海鮮料理を強く求めています。寿司や蟹を本場で食べたいという理由から、築地(豊洲)や北海道は人気の訪問先です。

白川郷を見学しつつ、シンガポールよりも質の高い肉である飛騨牛を飛騨高山で味わうといった、観光と食を組み合わせた周遊も人気です。

さらに、日本酒に関しては、シンガポールでは日本の約10倍の値段で売られているため、現地で安くおいしいお酒を楽しみたいというシンガポール人も多くいます。

シンガポール人観光客に響くキーワードは「健康で本物の海鮮料理・肉・日本酒を、お得に楽しめる」です。

② 伝統的&最新の日本文化を体験したい

東京を中心に、シンガポールの男性は秋葉原でアニメ・PC・ゲーム関連の買い物、女性は原宿・渋谷で最新ファッションや美容化粧品の買い物を希望しています。サブカルチャーと最新トレンドの両方を求めるニーズが、シンガポール市場の特徴です。

同時に、リラックスとリフレッシュを求めて、箱根に代表される露天風呂も高い人気を集めています。「綺麗で健康になれる場所」というポジショニングが、シンガポール人に強く響きます。

③ 日本の自然——シンガポールにない「春」と「秋」を求めて

都市国家シンガポールの生活はストレスが多く、自然への憧れは年々強くなっています。シンガポールに新たに開園したガーデンズ・バイ・ザ・ベイ植物園が大人気であることからも、自然志向の高まりは明らかです。

シンガポール人は、日本の自然——特に富良野に代表される花畑、桜、紅葉に強く惹かれます。シンガポールには春も秋も存在しないため、季節の移ろいそのものが特別な観光資源として機能するのです。

シンガポール人観光客に響くキーワードを総合すると、「美容・健康」「リラックス」「サブカルチャー」の3つに集約されます。

④ お得な情報をシンガポールにもっと届けてほしい

シンガポール人は、旅行先の検討にあたって、友人・同僚の口コミ、ウェブ検索、Facebookを駆使します。旅行会社経由ではChan BrothersやJTB Singaporeのツアー商品が人気ですが、旅行慣れしているため個人旅行の比率も高めです。

ただし、シンガポール周辺には日本のライバル観光地が数多く存在します。

  • 買い物:ジョホールバル、バンコク
  • 美容・温泉:台湾、ソウル
  • 食:台湾、香港、広州
  • リゾート:インドネシア・バタム、バリ、プーケット

これらに対して、日本の観光地は値段が下がりにくいのが現実です。だからこそ、「美味しい」「快適」「季節の自然」といった『日本品質』を前面に押し出し、広告やFacebookに限らず、シンガポール人にお得な情報を継続的に届け続けることが、選ばれる観光地になるための条件になります。

まとめ

シンガポール人観光客の日本旅行ニーズは、「健康的でおいしい食」「伝統と最新の文化体験」「シンガポールにない自然」の3軸で整理できます。隣接する観光地との競争が激しい中で、日本品質を明確に伝え、お得な情報をFacebookや旅行会社経由で継続発信することが、シンガポール市場でのインバウンド成功の鍵になります。


この記事の著者

シャロン(アジアクリック・シンガポール特派員)
シンガポール在住。シンガポール人女性の視点から、日本観光・現地市場・SNS活用に関する一次情報を発信。アジアクリック(代表:高橋学)所属。

監修

高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。

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