当記事の3行まとめ
- ASEAN旅行者の約44%がFacebookなどのSNSで旅行先を検討・決定しており、SNSは観光インバウンドPRの中核チャネル
- 各国で有効な広告チャネルは異なり、タイはFacebook+TVCM、マレーシアは多面的、シンガポールは華語TV・英字紙、インドネシアはTwitterが特に強い
- 同じASEANでも経済力・民族構成・購買行動が異なるため、各国・ターゲットに合わせた総合的な広告戦略の策定が必要
※本記事は2013年時点の広告メニュー・価格水準を記録したものです。媒体構成や金額は時期によって変動するため、最新の見積もりは別途お問い合わせください。
タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアは、いずれもSNSが日常に深く浸透した市場です。実際に、ASEAN旅行者の約44%がFacebookなどのSNSで旅行先を検討・決定しています。一方で、日本のライバルである韓国・中国・近隣諸国も、あらゆる広告手段を駆使してASEAN中間富裕層からのインバウンド獲得に動いています。
本記事では、自治体・観光業界向けに、ASEAN各国向け広告と広告費の概況を整理します。
① タイ人観光客向け——FacebookとTVCMが強い
タイ向けPRの基本は、FacebookとTVCMの組み合わせです。文字の読み書きが比較的少ないタイ人には、動画と画像を中心としたコンテンツが有効で、YouTubeの活用が鍵になります。
女性向けバラエティTV番組への掲載も、1回50万円〜の価格帯で対応可能です。新聞では、最古のバンコクポスト(Bangkok Post)やThai Rathなど主要紙の1ページ広告が50万円程度です。
② マレーシア人観光客向け——全方位的なブランディングPRが必要
マレーシア向けは、Facebook、YouTube、Twitter、雑誌・新聞を組み合わせた全方位的なブランディングPRが必要になります。
具体的には、観光客となりうる中間富裕層であるマレーシア華人を中心に読まれる星洲日報やThe Starといった新聞・雑誌、Astro TVが主媒体です。これらは100万円〜数百万円と幅があります。
FacebookはFacebook広告が中心で、英語が共通語であるため、シンガポールや英語圏からの波及効果も見込めます。
③ シンガポール人観光客向け——Facebookと華語TV、英字紙・華字紙の組み合わせ
シンガポール向けは、Facebookと、華人向け中国語テレビCMやバラエティの組み合わせが有効です。シンガポールのTV媒体はバラエティから人気ドラマ、中国語から英語まで幅広く揃っており、旅行という非日常的な情報を伝えるのに適した媒体構成になっています。
新聞・雑誌では、TODAYやThe Straits Timesといった英字紙・華字紙の1ページ広告が200〜300万円程度。TVも含め、シンガポールの広告金額はタイ・マレーシア・インドネシアの3倍近い水準にあります。
④ インドネシア人観光客向け——Twitterが特に強い
インドネシアは2億4,000万人の大人口を持ち、主要な新聞も各地に約300紙存在します。ジャカルタにはコンパス(KOMPAS)やJakarta Postなどの主要紙があり、1ページフルカラーで30〜60万円が目安です。
ターゲットによりますが、インドネシアで最も強いSNSはTwitterです。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、TwitterのFeed広告(プロモーション投稿)の検討も有効です。当時はASEAN地域でも始まったばかりのメニューで、審査が必要でした。
まとめ
同じASEAN諸国といっても、経済力・民族構成・購買行動が大きく異なります。各地・各ターゲットに合わせた総合的な広告戦略の策定が、ASEAN市場でのインバウンドPRの成否を分けます。
媒体構成や価格水準は時期によって変動するため、現時点で実施を検討される場合は、最新情報に基づいた見直しが必要です。
この記事の著者
高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。
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