2018年5月3日木曜日

【2018年度版】フィリピン人観光客を誘客する3つのポイント

フィリピン人観光客を誘客する3つのポイント

当記事の3行まとめ

1. マニラの主要旅行会社へ営業する
2. 増え続けるFIT個人旅行者へFacebookでPRする
3. 英語圏であることを強みに、英語メディアを活用する

前提:フィリピンは新興訪日市場として、ベトナムより大きくシンガポールより伸びしろがある

2017年、フィリピン人訪日客はシンガポール人訪日客を抜き、2018年度にはアメリカ、タイに次ぐ規模に到達する見通しが出ています。注目すべきは、その伸び方です。シンガポール・マレーシア・インドネシアと違ってビザが解禁されておらず、日本側の地方自治体もほとんどフィリピン国内向けにPRをしていないにもかかわらず、年間40万人以上のフィリピン人が自発的に日本を訪れているのです。

現時点でフィリピン市場に積極的に動いているのは、長野県・佐賀県・日光市など一部の自治体に限られます。背景には、かつて芸能ビザで来日したフィリピン人への古いイメージが残っていることがあると聞きます。しかし実際にマニラを訪れると、その経済的な発展ぶりに驚かされます。新興市場としての規模感はベトナムを上回り、伸びしろの大きさではシンガポールを超えると、私は見ています。

私自身、年に数回フィリピン現地で日本側の営業活動を行っています。その経験から、フィリピン市場へのアプローチに必要な3つのポイントを共有します。

① 主要旅行会社への営業

マニラ首都圏には現地ローカル旅行会社が数十社存在します。すでに40万人が日本旅行に渡航している以上、これらの旅行会社が実需を捌いていることになります。

特に、在フィリピン日本大使館から認定を受けた現地旅行会社が約10社あり、FIT個人旅行客の日本ビザ申請を1日数百人規模で処理しています。フィリピン市場に新規参入するのであれば、まずはこの認定旅行会社へのアプローチが起点になります。

② 増え続けるFIT個人旅行者へのPR

①で触れた通り、現在のフィリピン人訪日のトレンドは個人旅行です。形式上はツアーとして募集しつつ、日本到着後は現地解散、帰国便前に現地集合という、実態がフリー旅行に近い商品を販売している旅行会社もあると聞きます。

フィリピンのFIT個人旅行者に最も効率的に届く手段はFacebook広告です。直接配信するルートに加え、現地ローカル旅行会社と交渉し、彼らのFacebookページに投稿してもらう手法も有効です。

③ 英語圏であることを強みに、英語メディアを活用する

フィリピン人はほぼ全員が英語を話します。近年はタガログ語が話せないフィリピン人も増えてきています。情報源として英語圏メディアを直接参照しているため、ベトナム市場などと異なり、福島の原発事故についても認識があります。風評被害の影響は一定程度あると認識しておくべきです。

逆に言えば、これは英語コンテンツを通じて効率的にリーチできる市場だということです。BBCやCNNなどの大手英語メディアへの掲載は数千万円規模のコストがかかるため現実的ではありませんが、英語による情報発信を活かせる点では、Facebookでの英語投稿が費用対効果の最も高い入り口になります。

まとめ

以上、新興訪日市場としてのフィリピンへのアプローチを3つのポイントで紹介しました。フィリピン国内にはマニラだけでなく、セブ、ダバオといった第二・第三の主要都市があり、今後日本旅行博の開催も予定されています。これらについては別の記事で改めて取り上げます。フィリピン現地での営業については、私もお手伝いできます。

———

この記事の著者

高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。

関連リンク
公式サイト:https://asiaclick.jp
note:https://note.com/aseanmana
お問い合わせ:info@asiaclick.jp

参考資料・関連情報
・日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・日本貿易振興機構(JETRO)フィリピン国情報:https://www.jetro.go.jp/world/asia/ph/
・在フィリピン日本国大使館:https://www.ph.emb-japan.go.jp/
・パシフィック・アジア観光協会(PATA):https://www.pata.org/

公開日:2018年5月3日

(2018年版)タイの現地旅行会社にツアーを造成してもらう3つのポイント

タイランドの旅行会社にツアーを造成してもらう3つのポイント

当記事の3行まとめ

1. 他の観光地にない観光資源を「線」でつなぐ
2. 助成金を広域でまとめてコストを下げる
3. 人間関係を構築する

前提:タイ訪日市場はFIT9割、しかし送客評価は旅行会社経由が現実

タイランドでの日本旅行は、団体ツアー比率が1割を切り、残りはFIT個人旅行者と言われています。背景には、バンコク発の格安航空券(LCC)が往復6万円前後、セール時には2〜3万円まで下がるという航空券の手の届きやすさがあります。

FITタイ人旅行者へのPR手段は、スマートフォン上の口コミ対策、すなわちFacebook広告とタイ語掲示板(パンティップ等)への露出が中心です。

一方で、FIT個人旅行者は実数の把握が難しいため、観光団体・自治体・旅行業企業の効果測定は、旅行会社経由の送客数で行われるのが実情です。つまりFITが主流の市場であっても、旅行会社との関係構築は依然として重要だということです。

私自身、タイ王国バンコクにおいて旅行会社の担当者とほぼ毎月やりとりを重ねて数年になります。その経験から、タイの旅行会社に訪日ツアーを造成してもらうための3つのポイントを共有します。

① 他の観光地にない観光資源を「線」でつなぐ

桜・酒・雪は、日本のどの地域でも共通して訴求できる観光資源です。だからこそ、それだけでは差別化になりません。「そこに行かなければ体験できない理由」、つまりその地域固有の観光資源をPRすることが必要です。

例えば私が担当している東北地域であれば、ドラゴンアイ、樹氷、キツネ村などが該当します。ただし、旅行会社の担当者の視点で見れば、ツアーを組成するためには、これらの素材がバスの行程上で無理なくつながる「線」になっている必要があります。点として強い素材を、移動ストレスのない動線に落とし込むことが、造成の前提条件になります。

② 助成金を広域でまとめてコスト低減を図る

東京・大阪・札幌のようにバンコクから直行便のある地域は、それだけで旅行会社にとって扱いやすい商品です。一方、直行便のない地域は、交通手段の確保・移動時間・人件費の増加により、コスト面でも心理的負担の面でも商品化のハードルが上がります。

このコスト構造を前提にすると、1つの県・市町村の単独助成金では金額が小さく、旅行会社が動きにくい場面が多くなります。近隣地域の助成金を広域で取りまとめ、一人当たり30,000円以上の規模にできれば、新しい地方のツアー造成に対して旅行会社は前向きに動きます。

大前提として理解しておくべきなのは、旅行会社は株式会社であり、利益が出ない案件には動かないということです。義理や熱意ではなく、ビジネスとして成立する条件を整えることが先です。

③ 良い人間関係を構築する

タイランドの人々は情に厚く、ビジネスとして成立しないと分かっていても話を聞いてくれる担当者がいます。だからこそ、今年ツアーが売れなかったとしても、相手にとって有用な情報提供を継続し、相手の立場を理解する姿勢を持ち続けることが、長期的な関係構築につながります。

日本と異なり、海外では表敬訪問だけのアポイントは歓迎されず、ビジネスの議題がないと面会自体が成立しません。それでも、情の深いタイの旅行会社担当者は、継続的なやりとりを通じて少しずつ心を通わせ、協力的なパートナーになってくれます。

まとめ

以上、タイランドにおける旅行会社へのアプローチ方法を3つ紹介しました。実際の運用では、シーズナリティの読みや、タイ人が好む観光地との組み合わせなど、現場的な知識と経験が必要です。現地での具体的な進め方については、私もお手伝いできます。

———

この記事の著者

高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。

関連リンク
公式サイト:https://asiaclick.jp
note:https://note.com/aseanmana
お問い合わせ:info@asiaclick.jp

参考資料・関連情報
・日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・日本貿易振興機構(JETRO)タイ国情報:https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/
・パシフィック・アジア観光協会(PATA):https://www.pata.org/
・世界旅行ツーリズム協議会(WTTC):https://wttc.org/

公開日:2018年5月3日

ShareThis

ShareThis