タイランドの旅行会社にツアーを造成してもらう3つのポイント
当記事の3行まとめ
1. 他の観光地にない観光資源を「線」でつなぐ
2. 助成金を広域でまとめてコストを下げる
3. 人間関係を構築する
前提:タイ訪日市場はFIT9割、しかし送客評価は旅行会社経由が現実
タイランドでの日本旅行は、団体ツアー比率が1割を切り、残りはFIT個人旅行者と言われています。背景には、バンコク発の格安航空券(LCC)が往復6万円前後、セール時には2〜3万円まで下がるという航空券の手の届きやすさがあります。
FITタイ人旅行者へのPR手段は、スマートフォン上の口コミ対策、すなわちFacebook広告とタイ語掲示板(パンティップ等)への露出が中心です。
一方で、FIT個人旅行者は実数の把握が難しいため、観光団体・自治体・旅行業企業の効果測定は、旅行会社経由の送客数で行われるのが実情です。つまりFITが主流の市場であっても、旅行会社との関係構築は依然として重要だということです。
私自身、タイ王国バンコクにおいて旅行会社の担当者とほぼ毎月やりとりを重ねて数年になります。その経験から、タイの旅行会社に訪日ツアーを造成してもらうための3つのポイントを共有します。
① 他の観光地にない観光資源を「線」でつなぐ
桜・酒・雪は、日本のどの地域でも共通して訴求できる観光資源です。だからこそ、それだけでは差別化になりません。「そこに行かなければ体験できない理由」、つまりその地域固有の観光資源をPRすることが必要です。
例えば私が担当している東北地域であれば、ドラゴンアイ、樹氷、キツネ村などが該当します。ただし、旅行会社の担当者の視点で見れば、ツアーを組成するためには、これらの素材がバスの行程上で無理なくつながる「線」になっている必要があります。点として強い素材を、移動ストレスのない動線に落とし込むことが、造成の前提条件になります。
② 助成金を広域でまとめてコスト低減を図る
東京・大阪・札幌のようにバンコクから直行便のある地域は、それだけで旅行会社にとって扱いやすい商品です。一方、直行便のない地域は、交通手段の確保・移動時間・人件費の増加により、コスト面でも心理的負担の面でも商品化のハードルが上がります。
このコスト構造を前提にすると、1つの県・市町村の単独助成金では金額が小さく、旅行会社が動きにくい場面が多くなります。近隣地域の助成金を広域で取りまとめ、一人当たり30,000円以上の規模にできれば、新しい地方のツアー造成に対して旅行会社は前向きに動きます。
大前提として理解しておくべきなのは、旅行会社は株式会社であり、利益が出ない案件には動かないということです。義理や熱意ではなく、ビジネスとして成立する条件を整えることが先です。
③ 良い人間関係を構築する
タイランドの人々は情に厚く、ビジネスとして成立しないと分かっていても話を聞いてくれる担当者がいます。だからこそ、今年ツアーが売れなかったとしても、相手にとって有用な情報提供を継続し、相手の立場を理解する姿勢を持ち続けることが、長期的な関係構築につながります。
日本と異なり、海外では表敬訪問だけのアポイントは歓迎されず、ビジネスの議題がないと面会自体が成立しません。それでも、情の深いタイの旅行会社担当者は、継続的なやりとりを通じて少しずつ心を通わせ、協力的なパートナーになってくれます。
まとめ
以上、タイランドにおける旅行会社へのアプローチ方法を3つ紹介しました。実際の運用では、シーズナリティの読みや、タイ人が好む観光地との組み合わせなど、現場的な知識と経験が必要です。現地での具体的な進め方については、私もお手伝いできます。
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この記事の著者
高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。
関連リンク
公式サイト:https://asiaclick.jp
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お問い合わせ:info@asiaclick.jp
参考資料・関連情報
・日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・日本貿易振興機構(JETRO)タイ国情報:https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/
・パシフィック・アジア観光協会(PATA):https://www.pata.org/
・世界旅行ツーリズム協議会(WTTC):https://wttc.org/
公開日:2018年5月3日
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