2012年10月30日火曜日

マレーシアの華僑・華人 - 経済力あれど立場が弱い



今日のテーマは「マレーシア華人」です。



先日のブログで、華僑・華人が東南アジア各国でも一定の地位を持っていることに触れました。



今日は、東南アジアビジネスで避けて通れない、各国の華僑ネットワークについて、マレー半島の歴史を通してもう少し掘り下げてみたいと思います。

▼私もマレーシア、シンガポールで華人たちと交流し、幸い日本でも複数のマレーシア華人たちが周りにいるのですが、マレー半島の華人のマルチリンガルな語学力(英・中・マレー語・現地語)には驚かされます。

シンガポールにて、マレーシア華人のホストファミリーと

マレー半島にはシンガポール人、シンガポール人となったマレーシア華人、マレーシアの華人と様々な背景を持った人たちがいます。

経済的にもシンガポール人では8割が華人、マレーシアでは3割が華人で7割の経済を握っていると言われます。

日本は米国に次ぎマレーシアへの第二の投資国であり、マレーシアに進出する日系企業は約1,400社。主な企業としてはダイソーやユニクロ、伊勢丹、無印良品などが特にマレーシア人の生活に馴染んでいます。


しかし中国大陸に格差社会・超資本主義の問題があれば、マレー半島にも歴々とした民族間問題があります。

▼かつてイギリス領で合った現シンガポールを含めたマレーシア半島では、19世紀前半マラッカを中心とした英式教育を受けたコミュニティと、19世紀後半に中国南部(福建、客家、広東、潮州、海南など)より移住をしてきた中国人たちが各コミュニティをつくり、現在に至るまで地方の伝統と方言を守っています。

20世紀前半の「中華ナショナリズム」、そして中華民国の「北京語(標準語)教育」により、言語と連帯感が強まり、それまで個別にあった中国人意識をアジア全体で持つようになりました。

しかし、第二次世界大戦後に中華人民共和国が設立すると、華僑は現地への永住を余儀なくされ、中国人という意識を薄めつつ現地化し「華人」として生活するようになります。


▼マレーシアでは、3割もが華人であるものの「マレー語」が公用語とされ、平等な市民権に反対したマレー人に配慮し、イギリス支配による「マレー人の優位」が確立。農業のマレー人に対して錫加工の華人は経済貿易力を付け、経済格差が広がります。1963年にはマラヤ連邦が成立するが2年後には華人とマレー人の対立によりシンガポールが脱退。1969年、公用語をマレー語とするのを潔しとしない華人と、経済格差に不満を持っていたマレー人の間で死者196人を出す暴動「ティガブラス メイ」に発展、マレーシアの国策は全てマレー人優位とする「ブミプトラ政策」が制定され、マレー人の優位に対しての議論を一切禁止。イスラム教が正当とされ、中国・華人文化は外国文化と同等とされました。

「ブミプトラ政策」によって、華人は華人経済の中で仕事を行わざるを得ず、もし華人がイスラム教に改宗しても華人より見下されることになります。逆にマレー人は土地や建物の売買、公務員の採用、大学入試および主な産業面において優先・保護され、6割の人口とともに政治の面で圧倒的な力を持っています 。

2011年9月の収入格差は華人が4,437リンギ、インド系が3,456リンギで続き、マレー系は2,711リンギ。 「政治はマレー人、経済は華人」政策の影響が強く残っています。

「華人は華人とマレー人はマレー人と、規律のあるが如く、
別の民族と会話をしている様子はほとんど見受けられない」
- 立教ビジネスクリエイターより

かつてマレーシア華人の友人が「マレーシアでは、華人の立場はないから」とつぶやいたことを思い出します。

現政府は多民族性を国の原動力とする「1(One)マレーシア」を掲げ、従来の農作物や鉱産物の輸出、観光業に依存した体質からの脱却を果たし、2020年先進国入りするとの目標「ワワサン(マレー語でvisionの意)2020」を掲げる「東南アジアの優等生」マレーシア。

Satu Malaysia!

多民族それぞれの立場と苦しみとプライドを理解することから、マレー半島とのすべてが始まると言えるでしょう。


参考文献: 太田 竜一『東南アジアの華僑・華人 マレーシア、シンガポールにおける言語問題 ―』



高橋学 / アジアソーシャルマーケッター

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2012年10月29日月曜日

インドネシアのソーシャルメディア事情1


2億4000万人と、世界第4位の人口をかかえるインドネシア。
ネクストチャイナ、チャイナ+1として注目している方も多いでしょう。


今日はインドネシアのソーシャルメディア事情、第一回目をお知らせしたいと思います。

 1,ソーシャルメディア大国、インドネシア 

ネット人口8000万人ののうち、インドネシアのFacebook人口は5005万人。 BlackBerryが流行していますが、多くの平民は2G携帯のSMS機能を使ってFacebookを楽しんでいます。



2011年の調査になりますが、ネット利用目的の1位がSNS管理と、このSNS高比率を裏付けています。


また、インドネシアの Twitter 登録者数は2940 万人以上と日本(3440万人)に近くなり、インドネシアの首都ジャカルタはツイートが発信される都市1位です。(東京は2位)


 2,企業のソーシャルメディア活用

もちろん、インドネシアの日系企業もFacebookページにも力を入れています。


インドネシアのでもセクシー路線の"AXE ID"


各社、商品サービスへの親しみとユニークさを伝えるブランディングにFacebookとツイッターを活用しており、毎日数千の「Suka」(いいね!)がついています。


3,インドネシアのソーシャルマーケティング

インドネシアには、現地ならではのソーシャルメディアが複数あります。

・インドネシアの最大の掲示板 ”Kaskus”




社会のニュースから、グルメ、ファッション、トレンド、ライフスタイルまで個人や企業がトピックを立て交流することができます。


・ママがつくるソーシャルコマース”Multiply"


赤ちゃんのいる若いママが商品を仕入れ、売り、交流できるソーシャルコマースサイト。

今後、インドネシアならではのソーシャルメディアと、企業の活用事例を1つずつ紹介していきます。


高橋学 / アジアソーシャルマーケッター

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2012年10月26日金曜日

無料でこれだけ中国のトレンドが分かる!「百度指数」とは?



Googleトレンドをご存知ですか?
特定のキーワードの検索数推移が分かるマーケティングツールだ。



中国にもでNo.1の検索サイトはGoogleではなく百度(バイドゥ)
(百度が78.6%で、第2位は大きく落ちてグーグルの15.4%。第3位はさらに落ちて捜狗の3.2%)
中国の検索情報の8割が百度に集まっており、Googleトレンド以上の機能がある百度トレンド「百度指数」を使わない手はない。



ためしに「日本商品不買」(抵制日货)でトレンドを調べてみる。


現在は、尖閣問題前の近くまで落ち着いていることが分かる。
また「どれが日本商品か分からない」「不買運動は中国の首をしめる」など混乱がうかがえる。



地図上で、都市部を中心に「不買運動」が検索されているのが分かり、
また男性が7割、幅広い年代・職業・学歴をまたいで検索されていることが分かる。

このように、広い中国だからこそ、百度など情報が集まっているツールを活用し、自分で情報を掴み、判断材料にすることが有効だ。

百度の日本責任者である高橋大介氏の言葉を借りると、
「中国の消費者には独特の特徴があり、百度でBtoC、BtoB問わず調べてみれば(市場が)見えてくる」
「隠れている市場の特性と自社の製品やサービスの強みをどううまくかみ合わせていくか。そのかみ合わせのポイントが何かを研究していくことが、成功への近道だろう」

出典:検索キーワードから中国市場を探る 

中国に対する、自分だけの情報を「百度指数」で調べてみて欲しい。


高橋学 / アジアソーシャルマーケッター

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2012年10月25日木曜日

ソーシャルメディア2.0 ー 集合智でコラボ消費が加速する


今日は、大学生ながら現代ビジネスなどで連載を持ち、東南アジア各国を周り深セン香港から帰国したばかりの、アジアソーシャルマーケッターの岡俊輔さんが来社、20代ソーシャルネイティブならではの、ソーシャルメディアの次の姿について語りましたので共有します。



岡さんの連載「中国ソーシャルメディア一網打尽」はこちら


▼ソーシャルメディア1.0
•基本的に発信中心で絡まない、単発的。いいね!で終わり。
•セレンディピティ(偶然なる必然の出会い)、個人と個人の出会い。

1クリックで全員に投稿にいいね!できる「どうでもいいね!」は
SNS疲れ、”ソーシャルメディアの一方性”の限界を証明している。

↓※イマココ

ソーシャルメディア2.0
•消費者同士、生産者と消費者が交流、「コラボ消費」の成果物がソーシャルメディアで生み出される。
(私もあなたもHappyな商品・サービスが交流から生まれる)
•セレンディピティの集合体の連鎖、個人とグループ・グループとグループの出会いが加速。
(”あなた達”と運命の出会い!)
•行動的なモバイル中心のため、ネット上からリアルなコミュニティへと、より自然に脱皮する。
(オフ会が自然なものに)
※コラボ消費=所有でなく共有(シェア)すること。対義語は「ハイパー消費」。


現時点で2.0に最も近いのは、FacebookやLinkedinのグループ、または芸能人や企業独自のSNSなどで、新たな価値や商品サービスが生まれている事例も多いですね。


▼インドネシアのソーシャルコマース”Multiply”はその成功例。
ユーザー自身がソーシャルな交流をしながら、商品を売るプロフェッショナルであり、買い手であり、その多くが若い母親です。




結論:
ソーシャルメディアでの集合智を生み出す消費者のコミュニティが村のように多数生まれ、集まって街や都市になっていく。
企業もブランドも、ネット上の村や都市といった集合智コミュニティのニーズを商品開発やサービスに汲み取り、フィードバックすることで、コミュニティ内外でより自然な「コラボ消費」を行うようになる。


モバイル上に「シェア体験でユーザー自信が価値を生む」ソーシャルメディア2.0のプラットフォームが次々と生まれるのも、ここ1,2年のことと予想されます。

そして岡俊輔さんのような20代のソーシャルネイティブが、今後ソーシャルメディア2.0を牽引していくでしょう。


高橋学

2012年10月24日水曜日

中国人民は日本企業を今、どう見ているか? ー ソーシャルリスニング3事例


尖閣問題を受けて「スルーチャイナ」と言われる現在。

中国ソーシャルメディアから、中国人の日系企業に対しての代表的な生声を拾ってみました。

▼イオン(JUSCO)への代表的な声
イオンでこんなに沢山の日本商品を買っちゃった!殴られちゃうかなあ?
お昼ごはんのために、日本人のつくったイオンに来ました。
 でもイオンの中の中国人のお店で食べよう、これこそ不買運動!




▼ユニクロへの代表的な声
ユニクロに完全に変えられるブランドはないの。。。? 苦しい
なぜ私は不買運動に耐えられないのだろう? 腕時計は日本製、Nikonを愛しているし、
 Tシャツは最も愛するユニクロ、安い日本製、バドミントンもヨネックスだ、どうして不買できようか? 母も資生堂を買いに行こうとしている!



▼味千ラーメンへの代表的な声
・味千ラーメン、スイカで払って68元、まあそんな値段かな? でも前は18元だったよね。。。高くなった。
・昨日はお寿司、今日は味千ラーメン。美味しい〜



中国のソーシャルメディア上で個々のブランドへの声を拾ってみると、このように日本商品を楽しむ声が圧倒的です。 まだまだあります。

日本在住の、中国ビジネスをされている皆さんは、今悩まれていると思います。
中国の生の声を聞きましょう。
中国現地へ行ってみましょう。


他のブランド・日系企業への生の声を知りたい方はお問合せ下さい。


高橋学 / アジアソーシャルマーケッター

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2012年10月23日火曜日

アジア各国の中国語力、英語力、ソーシャルメディア公用語


21世紀はアジアの時代、ネットの時代。
しかしアジア各国で使われている言葉は何語でしょうか?
また、ソーシャルメディアでは?



私達日本人にとって、英語が通じやすいミャンマー、シンガポール、マレーシア、インドネシアはビジネスでもコミュニケーションが取りやすそうです。

また、英語に加えて中国語が出来る方は、シンガポール、マレーシア、インドネシアをセカンドチャイナ市場として検討してもよいでしょう。

ソーシャルメディア言語は様々ですね。 
言語を含めた「現地化」が、ビジネスの成否を分けそうです。

もちろん、企業にとっては更なる検討材料が必要になりますが、もうひとつの世界であるインターネットから、アジア市場とのコミュニケーションを始めてみてはいかがでしょうか?


▼当社の多言語ホームページ制作はこちら。
http://www.webken.or.jp/ホーム/多言語ホームページ制作-翻訳-英語-韓国語-中国語-インドネシア語-マレーシア語-ベトナム語-タイ語他/


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2012年10月22日月曜日

中国153万人に聞いた「日本製品買う?中国経済に影響は?」ソーシャルアンケート結果



新浪社が「尖閣諸島問題は日中貿易に影響があるか?」と題してアンケートを行った所、1,537,639人より回答がありました(進行中)。



▼結論:
約半数が中国経済にマイナス影響と答えるも、日本製品不買支持が87.9% 

Q1:あなたは引き続き日本製品を買いますか?
  YES   6.3% 
  NO  87.9%
  不明   5.9%
Q2:尖閣問題で中国経済にマイナス影響があると思いますか?
  YES     47.3% 
  NO  38.5%
  不明  14.2%



▼中国人の生の声(抜粋)
・日本車の今期の販売量50%減、欧米の車が占拠するのかな?
・メイドインチャイナがなくなると日本のGDPにも大打撃を与えるが、
 中国の製造業や就職問題にも大打撃だなぁ。
・日本語専門の学生が卒業後、日本企業以上に有利な条件で就職を用意できるの?

など、不買に賛成ながら「就職や製造業の売上低下が不安」といった声が多いです。


▼「日本製品を引き続き買う」と答えた中で、多い地域は


・広東省(8.3%)
・北京市(5.9%)
・上海市(5.6%)
・江蘇省(5.2%)でした。


▼逆に「日本製品は買わない」と答えた中で、多い地域は


・広東省(7.1%)
・山東省(5.0%)
・江蘇省(4.6%)
・浙江省(4.0%)でした。

地域により、不買意識にかなり格差があることが分かります。

現在、中国市場に進出するか・しないか、撤退するか否か迷われている方は参考になるかと思います。

より詳しい内容はお問合せ下さい。


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