2013年12月19日木曜日

ミャンマーの携帯事情 〜 ヤンゴンから現地情報のお届け開始!

みなさん初めまして、ヤンゴン在住の後藤修身です。アジアクリックの特派員としてミャンマー関係の記事を提供することになりました。

私が初めてミャンマーに来たのは1987年なので、もう26年前です。その当時はネウィンの独裁時代で社会主義で鎖国政策をとっていた国でした。まだビルマと呼ばれていた時代です。そのビルマをたまたま訪れ、私はすっかり魅せられてしまいした。男も女もロンジーと呼ばれる腰巻きをまといゆっくりと歩き、夜になると道端の露天がローソクの火でほのかに照らされ、車がほとんど通らないメインストリートでは道の真中で若者がギターを弾き、食堂に入ると見も知らずの人が私の分まで払ってくれました。今でも夢の中のような当時の映像が頭に浮かびます。そのビルマで翌年88年、民主化動乱が起きました。その後の長かった軍事政権時代、最近の民主化と私はずっとミャンマーに関わってきました。

そしてヤンゴンに移住してきたのが去年2012年の9月です。こちらではデジタルが分かるカメラマンとして以前からミャンマーの写真をずっと撮り続けています。アジアクリックでは、"今の"ミャンマーを現地よりお伝えしていきますので、みなさんよろしくお願いいたします。
・エーヤーワディ http://www.ayeyarwady.com/
・Campur Photo ミャンマー http://photo.campur.com/photo/myanmar.html

では、第1回目として「ミャンマーの携帯事情〜その1」をお伝えします。携帯事情シリーズは全部で3回の予定です。



■50万円から150円へ

ミャンマーで長い間、携帯は贅沢品だった。いや、正確に言うと携帯ではなくSIMカードの契約が高かった。1990年台は50万円前後で、ほんの一部の金持ちと政府関係者と外国人しか携帯を使ってなかった。その後、徐々には安くなったが、急激に安くなってきた2011年からだ。2011年に5万円、2012年は2万円になった。それはちょうど民主化の流れと重なっていた。

■SIMは抽選で

それまで10万円以上していた携帯(SIMカード)が2万円で買えるのだから、中流階級の人たちはこぞって買いだした。遅まきながらミャンマーでも携帯ブームがやってきたのだ。その2012年末での普及率が9%という数字がある。携帯ブームがやってきたといっても、世界的に見るとまだ非常に低い数値だ。そして、2013年4月に1,500チャット(約150円)SIMが出た。しかし、通信設備のインフラが整ってないため、1ヶ月35万人という制限付きだった。案の定、希望者が殺到したため各地で毎月抽選会が行われている。
*参考 ミャンマーの携帯電話契約数の推移 http://ecodb.net/country/MM/it_phone.html

■SIMはブラックマーケットで

抽選だと買えない人のほうが多い。そこで出てきたのがブラックマーケットだ。ブローカーが抽選で当たった人からSIMを買い取る。そのSIMをモバイルショップが買い取って、一般消費者に売っている。ブラックマーケットといっても薄暗いところでこそこそと買うのではなく、堂々とでモバイルショップでSIMを売っている。現在のヤンゴンでの相場は120,000〜150,000チャット(1,200〜15,000円)だ。

■外国人はSIMを買える?

1,500チャットSIMの契約はミャンマー国民限定なので、外国人はSIMの抽選には応募できない。しかし、ブラックマーケットでは身分証明書の提示は必要ないので、誰でも買える。モバイルショップに行けばその場で購入することができる。

■携帯事業会社に外資が参入

ミャンマーの携帯事業会社は今まで国営のMPT(Myanmar Posts and Telecommunications)しかなかった。1,500チャットSIMは MEC(Myanmar Economic Corporation)販売となっているが、実際の運営はMPTが行っていて、独占は変わっていない。しかし、今年から外資の通信会社が参入することになった。カタールのOoredooとノルウェーのTelenorに決定したと6月に発表された。日本からはKDDIが入札に参加したが、落札することができなかった。

■様々な通信方式

携帯事業会社はMPTしかなかったのに、なぜか通信方式はGSM, W-CDMA, CDMA450, CDMA800 と4種類もあり、SIMも別々だ。事業会社が1社なのに通信方式がこんなに乱立しているのが不思議だったのだが、先日やっと理由が分かった。政治的理由だったのだ。CDMA450とCDMA800に関しては中国で使わなくなった通信設備がミャンマーにやって来たという。経済制裁を受けていた軍事政権時代は中国からしか通信インフラを導入できなかったのだろう。今回の1,500チャットSIMに関しては、CDMA800とGSMの2種類ある。

■通話料はプリペイドカードで

通話料金は一部後払いのポストペイド方式もあるが、ほとんどはプリペイドカードを購入する方式だ。1,500チャットSIMももちろんプリペイド方式だ。また、通信方式によってプリペイドカードも種類が異なるので注意が必要だ。通話料は1分50チャットで、データ通信は通信方式によって異なる。GSMは2Gということで、1分2チャット、その他は3Gで1分4チャットになる。

■データ通信は?

ミャンマーではどの方式でもデータ通信が可能だが、通信スピードが多少異なる。W-CDMAが最も早いといわれていて、60Kb/sec程度だ。CDMA450とCDMA800もW-CDMAと同じく3GでスピードもW-CDMAより若干遅い程度。GSMは2Gなのでそれより遅く、30Kb/sec程度だ。メールや普通のWEBサイト閲覧程度だとあまりストレスはたまらない。しかし、ネット回線のバックボーンが細いためか、朝は上記のスピードが出ても午後になると遅くなる。特に夕方から夜にかけては接続できても全く通信できない場合もある。それに、先日はインターネット用の海底ケーブルが切れたというニュースがあり、実際に2〜3日接続ができなかった。

ところで、日本よりミャンマーの携帯が優れている点がある。携帯機器自身にテザリング機能が付いていれば、テザリングが自由にできるのだ。私もそうだが、パソコンのインターネット接続は携帯のテザリングを利用している人が多い。データ通信で注意しなければいけないのは、料金が時間単位だということだ。携帯本体でデータ通信ONにしていた時間だけ課金される。データ通信を使わないときにはOFFにしないとプリペイドカードの金額が減っていくのでご注意を。

■空港でレンタル携帯

ヤンゴンの空港などでは、旅行者向けにハンドセット付きのレンタル携帯もある。5日間で50ドル、10日間で70ドルという料金で、通話料は自分でプリペイドカードを購入する。SIMロック解除された携帯を持っている人であれば、そのままSIMを入れると自分の携帯で通話ができる。

■ミャンマーでローミング

ドコモ、AU、ソフトバンクともミャンマー国内でローミングが可能だ。ミャンマー国内への通話であれば、ドコモが80円/分、AUが180円/分、ソフトバンクが200円/分(それぞれ、2013年12月時点)になっている。ミャンマー国内でのデータ通信使い放題のサービスはまだないようなので、データ通信はOFFにしといたほうがいい。そうじゃないと、スマホは勝手にデータ通信を行うので帰国後に携帯電話会社から高額な請求書が来るかもしれない。

いかがでしょうか?
発展するミャンマーのインフラの歴史とノウハウ。
今後も、ヤンゴンから現地ならではの生情報をお届けしていきます。
(ヤンゴン特派員/後藤修身)


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