タイ・バンコクからサワディカップ、アジアクリックの高橋学です。
今日は2018年度版として、ASEAN諸国の訪日市場の特徴をお伝えします。基礎データはJETROおよびJNTOの最新情報をご参照ください。
■タイ王国
1)タイの訪日市場
ASEANの中で、FIT誘致が最も効果を出しやすいのがタイランドです。日本人気が安定して続いているため、PRはFacebookとパンティップ掲示板の二本柱が有効です。
グループツアーについても、主要旅行会社が訪日商品の造成に前向きです。商談時には、観光地の核となる魅力と、補助金などビジネス条件の二点を整理して持参し、旅行会社と協働でツアーを組み立てるのが定石です。
2)タイへの進出
タイは消費市場としても生産拠点としても魅力があります。
消費市場としては、バンコクに加え、コラート(ナコーンラーチャシーマー)やチェンマイといった地方主要都市にも、サービス業・飲食業の層が厚く形成されています。生産拠点としても、人材とインフラの安定度が高く、結果として日本からの視察件数はシンガポールを上回る水準にあります。
3)タイでのビジネスのお薦め——3つの切り口
① 訪日
2017年度のタイ人訪日客数は80万人を超え、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィリピンの2倍以上の規模に達しています。タイでは4年以上にわたり、訪日旅行が最も人気のある消費商品であり続けています。中間層以上は休暇と予算が揃うたびに日本を訪れ、日本料理とタイとは異なる文化体験を求める流れが定着しました。個人旅行・団体ツアーいずれにおいても、相手は日本への興味が素直に強いタイ人であり、他のASEAN市場と比べて取り組みやすい市場だと実感しています。
② 高付加価値産業
経済成長に伴い、タイでは富裕層の拡大と中間層との格差拡大が同時進行しています。消費の質も上がっており、バンコクの大学生は美味しさだけでなく健康価値の高い食品を価格を厭わず購入し、スマートフォンではなくキヤノン・OLYMPUS・富士フイルムといった日本ブランドの一眼レフカメラを親にねだる層も出てきています。
その背景には、タイ人特有の「宵越しの銭は持たない」気質があります。南国ゆえに食うに困って命を落とすことはなく、仏教国としての相互扶助も機能しているため、貯蓄圧力が日本ほど強くありません。「マイペンライ」に象徴される、細部やメンツに過度にこだわらない価値観も、消費の自由度を高めています。
③ リタイア
日本にない自由とのんびりした生活がタイにあり、タイにない規律と質の高さが日本にあります。両国はそれぞれ補完関係にあると言えます。現在タイには6万人の日本人が在住していますが、生きづらさを増す日本とタイの二拠点生活を選ぶ富裕層は、今後さらに増えていくと見ています。
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この記事の著者
高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。
関連リンク
公式サイト:https://asiaclick.jp
note:https://note.com/aseanmana
お問い合わせ:info@asiaclick.jp
参考資料・関連情報
・日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・日本貿易振興機構(JETRO)タイ国情報:https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/
・タイ国政府観光庁(TAT):https://www.tourismthailand.org/
・パシフィック・アジア観光協会(PATA):https://www.pata.org/
公開日:2018年1月12日
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