2018年1月16日火曜日

【2018年度版】シンガポール人観光客を誘客する2つのポイント


当記事の2行まとめ

1. 個人旅行(FIT)比率が9割超のため、英語Web上で「ここにしかない体験」を発信し続ける
2. 1割の団体ツアー層には、東京・大阪と組み合わせられる1〜2泊のカセットプランを提供する

前提:人口約560万人のうち年間30万人以上が訪日するリピーター市場

シンガポールからアジアクリックの高橋学です。シンガポールで起業してから4期が経ちました。実際に住んで働いてみると、シンガポール人もごく普通の人々です。一方で、独立から52年でジャングル状態の土地からここまで発展させた国家運営は、他に類を見ません。小国だからこそ可能な挑戦や統制という側面はあるものの、リー・クアンユー氏が築いた国家設計は世界的に見ても傑出しており、シンガポール国民が誇りとしている通りだと感じます。

本日は、この熱帯の小国シンガポールからの訪日誘致について、2つのポイントをお伝えします。シンガポール人が訪日に求めているのは、洗練されたものではなく、生に近い本物の体験です。

なお、シンガポールの人口は約560万人。そのうち30万人以上が毎年日本を訪れており、これは台湾・香港に次ぐ規模のリピーター市場です。新規開拓ではなく、リピーターに深く・より日本的な情報を発信し続けることが、この市場の戦略の中心になります。

① 個人旅行(FIT)比率9割以上——英語Webでの情報発信が中心戦略

シンガポール人観光客の典型像を整理すると、英語と中国語がほぼネイティブ、大学院卒も多く、IT環境の整備度合いは日本・韓国を上回ります。

この属性が意味するのは、インターネットでの情報収集と旅行計画は彼ら自身で完結できるということです。さらに、本物の情報と広告を見分けるリテラシーも高水準にあります。したがって、シンガポール市場へのアプローチは「ここにしかない観光スポット、ここでしかできない体験」を英語のWeb上で発信し続けることが軸になります。

媒体としては、Facebookでも、英語のホームページ+Google広告でも有効です。重要なのは「シンガポール人の旅行先候補の一つに、自分の地域を入れ続ける」という継続的な情報提供の姿勢です。なお、シンガポール市場では中国語コンテンツは原則不要で、英語のみで十分にリーチできます。

② 1割の団体ツアー層には、1〜2泊のカセットプランを提供する

シンガポール訪日市場でアプローチが難しいのは、残り1割の団体ツアー(GIT)層です。ダイナスティなど大手旅行会社もすでにFITパッケージを揃えてきており、団体客だけでは売上が立てられなくなっているのが現状です。

それでは1割の団体ツアー利用者は誰か。具体的には、3世代家族での渡航、または両親を連れて気軽に日本旅行を楽しみたい30代の子連れ夫婦などが中心です。彼らに共通するキーワードは「楽で楽しい、移動が楽で、思い出の写真がたくさん撮れる旅程」です。

このセグメント向けには、東京や大阪に組み合わせて販売できる1〜2泊規模のカセットプランの提供が有効です。旅行会社や担当者の嗜好によって組み込み条件は異なりますが、現実的にインアウトしやすい動線設計と、最後の一押しとしての助成金が、団体ツアーへの組み込み確率を引き上げます。

まとめ

シンガポール訪日市場は、9割のFIT層への英語Web発信と、1割のGIT層への東京・大阪連携カセットプランの2軸で攻めるのが基本戦略です。便利さや洗練ではなく、その地域でしか得られない生に近い日本体験を、リピーターに対して継続的に届け続けることが、この市場で勝ち残る鍵になります。

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この記事の著者

高橋 学(たかはし まなぶ)
アジアクリック代表。タイ・バンコク在住。中国を含むアジアでの実務歴20年以上。日本語・英語・中国語・タイ語の4言語ビジネスレベル。東南アジア6カ国+インド+中国の現地ビジネス、訪日インバウンド、SNSマーケティングを専門とし、日本の自治体・観光団体・企業に対し、どの国に・どの順序で・どのように伝えるかの判断材料を提供している。

関連リンク
公式サイト:https://asiaclick.jp
note:https://note.com/aseanmana
お問い合わせ:info@asiaclick.jp

参考資料・関連情報
・日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・日本貿易振興機構(JETRO)シンガポール国情報:https://www.jetro.go.jp/world/asia/sg/
・シンガポール政府統計局(Department of Statistics Singapore):https://www.singstat.gov.sg/
・パシフィック・アジア観光協会(PATA):https://www.pata.org/

公開日:2018年1月16日

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