2014年2月5日水曜日

外国人観光客数が年々増加するインドネシア、その観光潜在能力とは?

 Selamat pagi! インドネシア担当のロナルドです。
 
さて、インドネシアの観光・創造的経済省によると、2013年のGDPに占める観光産業の割合は、前年比15%増。外国人観光客数は7.3%増加し、外国人観光客からの外国為替は8.17%増加したそうです。これらの増加は、政府による12の新空港開発計画によってインフラや空港施設が改善されたことから達成された、と考えられています。
 
 
 また、インフラの改善に加えて、人々の購買力もまた観光の増加に影響を与えました。また、多くの航空会社が国内・国外ともに新路線の運航を開始しましたし、言うまでもなくホテルの数や、新しく観光地として売り出した地域の数も増えました。ちなみにこの新しい観光地とは、西パプワのラジャアンパット(Raja Ampat)、東ヌサトゥンガラのコモド島(Komodo)、そして 西ヌサトゥンガラのロンボク島( Lombok)などです。

 次に、外国人観光客だけでなくインドネシア人自身についても見てみましょう。別のデータによると、休暇はインドネシア人にとって積立金や貯蓄を使うところであるだけでなく投資先ともみなされているようです(これは他国も同じ?)。人々は休暇の過ごし方について1年前から計画している、という結果も出ているそうです。ルビア安であれば、多くのインドネシア人は日本などの同じアジア諸国や国内へと旅行し、ルピア高になればニュージーランドやアメリカ、ヨーロッパなどさらに遠くに旅行することになるでしょう。
 他にも明らかになったのは、14%の人々が旅行代理店の新しいサービスを求めているということです。旅行代理店は代理店どうしの競争のみならず、航空会社やその他企業によるインターネットでのマーケティングとも競争しなければなりません。とはいえ、旅行代理店もまだ成長する余地がありそうです。

 インドネシアの観光産業は、これから25%成長すると予測されており、2014年も飛躍の年となるでしょう。

(アジアクリック・インドネシア担当/ロナルド)

2014年2月4日火曜日

マレーシアに日本の新幹線導入なるか?

 Selamat pagi!マレーシアのシャフィクです。

 先週末、私は友人達と自分の住むマラッカからクアラルンプール(KL)へと出掛けました。KLはマレーシアの首都で、魅力の多さ・交通アクセスの良さから、たくさんの人を惹きつけています。そんな大都会KLからマラッカへは通常であれば2時間程度で着きます。大きな都市での運転は不慣れなため、迷子とKLの異常とも言える運転マナーとを心配しながら、早朝に車に乗りました。

 マレーシア国内の長距離移動は、他の近隣諸国への移動と大差ありません。移動の選択肢は自家用車・バス・電車・飛行機のどれかです。これらのおかげで我々は西マレーシアだけでなく、東マレーシアへも他の国へも好きな場所に行くことができます。しかしながら、一方で都市の急速な発展に伴い、陸路移動する国内および近隣諸国からの旅行者は大幅に増加しており、(特に国境近くで)大変な交通渋滞を引き起こしています。


 このような状況を鑑み、マレーシアは、移動時間の短縮のために新幹線技術の開発や、自家用車の数を減らすべく省燃費交通機関の促進を考えています。その手始めとして、政府はKLから隣国シンガポール間の新幹線運行を検討しています。新幹線の導入により、マレーシアの5つの州をつなぐ330kmの道程を4時間かかっていたところが90分になると言われています。

 昨年12月に日本の安倍総理が来馬し、この新幹線プロジェクトに日本の新幹線技術を入れることへの関心を示しました。今年発表されるこのプロジェクトは、マレーシアとシンガポールの二国間に関するものであるため、まずはシンガポールとの議論を持ってから、と日本からの協力についてマレーシアのナジブ首相は明言を避けましたが、三井物産や住友商事、日立などの日本の大企業数社が技術協力を申し出ています。

 2国間で合意に至れば、2020年にこのプロジェクトは完成する予定となっています。私個人としては、新幹線導入はマレーシアの交通渋滞を緩和するための賢明な判断だと考えています。新幹線は人々の長距離移動の需要を、速くかつ最も重要な安全性を持ちながら満たします。

 これが現実になったら、私は新幹線の技術だけでなく、新幹線車内の日本人流おもてなしもまた、マレーシアにもたらされることを願っています。旅行に新幹線を使って車内でのんびり読書するのが待ち遠しいです。

(アジアクリック・マレーシア担当/シャフィク)

2014年2月3日月曜日

ジャカルタに新しくオープンした日本居酒屋、人気の理由は?

 Selamat sore(スラマッソレ)!インドネシア担当のロナルドです。
 先ごろ、ジャカルタのGandaria City Mallに「炉ばた 陣や」という日本の居酒屋が新たにオープンしました。

 












 ジャカルタには多くの日本料理店がありますが、この「炉ばた 陣や」のフランチャイズ・ライセンスをもつIrawan Lautania氏は、店の経営について楽観視しています。それは有名人を含め、日本料理ファンは皆この店での食事を楽しんでいるからだそう。彼は「モダンな西洋のライフスタイルと日本の伝統を組み合わせた」というこのレストランのコンセプトを挙げて、これはインドネシアでは新しい・ユニークな魅力だとしています。
 加えて、この料理店の内観も他の店とは異なります。伝統的な料理を提供するレストランではありながらも、竹を用いて洗練された印象を与えています。また日本を表す代表的な花・桜を用いて、日本の伝統的な料理を味わうのに最適な空間を演出しています。

 この料理店には「スーパーシェフ」として、日本から経験豊富な料理人が呼ばれました。またすべての料理の調理法もすべて日本直輸入、日本と同じ。これらはすべて、このレストラン特有の味と質を維持するためです。
 店の主要なメニューは、店名の通りの炉端焼きやラーメン、寿司や刺身といった料理です。美しく厳選された素材が満載という触れ込みから、店は連日賑わっています。

 インドネシア人は、日本や海外にある多くの日本料理店が、その料理の見栄えや工程に日本独特の様式を持っていることを期待しています。また我々は、今回オープンしたこの「炉ばた 陣や」も伝統的でありながら国際的な雰囲気を持っており、こうしたユニークかつ伝統的な日本料理店はインドネシア人の日本食への食欲を一層掻き立てています。

(アジアクリック・インドネシア担当/ロナルド)

今さら聞けない!?最近話題の「ハラルフード」ってなに?

 Selamat pagi(スラマッパギ)!マレーシアのシャフィクです。
 私のいるマラッカは風の気持ち良い日が続いています。おかげで週末外で過ごすのに熱い太陽を気にしなくてすみ、最高です。友人たちと出掛け、昼食を選ぶ。肉は美味しいし、飲み物はすっきりさわやか。マレーシアで食べるのが私は大好きです。

 私は日本で過ごしていた日々を、未だに思い出します。美味しい料理を求めてあちこち旅してまわるのが好きでした。日本料理は味が素晴らしく、また素材の鮮度は間違いなく世界で1番だと思います。先ごろ和食はユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、そのような和食を食べるために、長距離ドライブをする価値があります。私は週末かけて、ひつまぶしや蕎麦を食べに行ったりしていました。

 日本料理は美味しさにもかかわらず、我々イスラム教徒は常に「ハラルフード」に気を配らねばなりませんでした。「ハラル(Haral)」とはアラビア語からきていて、「合法の」「許された」という意味の言葉です。なので、「ハラルフード」とはイスラム教徒がラベルことを許された食べ物のことを指し、反対に食べるのを禁止されているものを「ハラム(Haram)」と言います。イスラム教では、禁止された食材が含まれていない限り、全ての食品はハラルと考えられています。これはつまり、イスラム教徒が一般的にすべての禁止食材(ハラムフード)を覚えていてそれらの飲食を避けている、ということを意味します。言い換えると、イスラム教徒はハラルフードだけを口にしている、ということになります。
(ハラルロゴの一例)

 ハラルフードに禁止食材は含まれていません。我々が口にしてはいけないものは、例えば豚です。豚はその肉に限らず、ゼラチンやラードといった豚由来のもの全てダメです。豚はどんな形であっても―新鮮でも、調理されていても、加工されていても、油もその他の部位すべて―食べることが許されない、唯一の肉類です。
 他に禁止されているものは、イスラム教で示されている方法で屠殺されていない動物の肉です。つまりイスラム教徒はイスラム法に従って屠殺された鶏肉、牛肉、羊肉だけを食べているのです。豚肉は食べるのを禁じられているので、他の肉のようにイスラム法にのっとって屠殺されていても除外されます。

 アルコールも、どんな原料から作られていても、イスラム教では禁止されています。忘れてはならないのは、料理酒やワイン、みりんなどの酒類、アルコールドリンクも一切ダメ、ということです。料理に使われてもいけないので、例えば赤ワインソースを添えたステーキや、ラム酒を使ったティラミス、日本料理だとみりんを使ったものは食べられません。

 多くの口にしてはいけない食べ物が我々にはありますが、海産物はハラルなので全て大丈夫です。魚やエビ、カニ、イカなどといった、海からきたものはイスラム教ではすべて合法となっています。ここで気をつけたいのは、そういった食材も先ほど挙げたみりんやゼラチンとなどの禁止食材・調味料・飲料と混ぜてはいけない、という点です。それらを使って調理してしまうと、海産物もそれら同様食べることが許されなくなります。

 日本に来る前に、有名な神戸牛や広島のお好み焼き、仙台の牛タンといった、他の国では味わえないものの存在を聞いていました。しかし残念なことに、上記の理由からそれらを食べることができず、ついに私はそれらを味わうことのないまま帰国してしまいました。それでも、日本滞在中に色んな魚の寿司や、たこ焼き、ひつまぶし、てんぷら(私の大好物!)といった、今まで食べたことのない美味しい料理を食べられたことは、とても嬉しかったです。

 イスラム教は信者に対して、飲食物を含めた「生き方」を教えています。ランチでどこへ行くにしても、日々適切な食材を選ぶということは難しく聞こえるかもしれません。しかし、イスラム教徒はこれを長いあいだ実践してきており、ベジタリアンや他の宗教の人々と同じように、全く気にならないことなのです。

 次の記事では、私が数年間の日本滞在中にどのようにハラルフードを探していたか、という経験をみなさんにシェアしたいと思います。Jumpa lagi(ジュンパラギッ)!
(アジアクリック・マレーシア担当/シャフィク)

2014年2月2日日曜日

インドネシアで最も生活費のかかるジャカルタ、人々の望みはやっぱり…?

 Selamat pagi(スラマッパギ!)インドネシア特派員のロナルドです。

 
先ごろインドネシアの中央統計局は、インドネシアの82都市の生活費に関する調査結果を公表しました。これは2014年に2月に実施される新しい基準年度でのインフレ測定のために行われました。
 その調査結果によると、2012年最も生活費(家計の支出)が多かった都市はジャカルタだそうです。ジャカルタの平均世帯規模は4.1人で、1世帯の平均支出は月およそ750万インドネシアルピア(日本円で約6万6千円)。なお、国全体の平均としては580万インドネシアルピア(約5万円)だそうです。

 ジャカルタの人々自身は月々家計支出の問題を理解しています。しかしジャカルタのような世界への玄関口となる大都市では、平均から突出した支出になるのも致し方ありません。そこで暮らす住民たちの要求はただひとつ。給与調整です。現在のジャカルタでの物価はシンガポールのそれと大きく違わないと言われるのに、収入はシンガポールのそれに遠く及ばないためです。

(アジアクリック・インドネシア担当/ロナルド)

2014年2月1日土曜日

インドネシアで生産・日常使いされる日本車

 
 Selamat sore (スラマッソレ)!インドネシア担当のロナルドです。
 ジャカルタにも近いインドネシア最大規模の工業団地、西ジャワ州のカラワン地域。そこで最近増えているのが、自動車メーカーの工場です。
 日本のメーカーでは、トヨタ、いすゞ、ダイハツ、ホンダがカラワンで新たな工場を稼働させました。

 


 ホンダの新しいプラントは、ホンダの生産能力増強のために、3.1兆インドネシアルピア(日本円で約270億円)を投じて、2012年から建設が開始され、今年から稼働します。この工場の設立は、最新のミニバンの生産と供給というホンダにとって大きな意味を持つでしょうが、インドネシアの産業や経済にも貢献するという意味を持っています。
 

 インドネシア人のほとんどは、日々の交通手段として(それが交通状況には好ましくないとしても)その利便性から公共交通機関よりも、自分たちの所有するバイクや車を使う傾向にあります。そうして使う車やバイクを日本のメーカーのものから選ぶ、ということは大いにありうることです。
 ホンダは70年代にシビックをインドネシアで発売してから、多くの愛好家を持つ巨大ブランドのひとつとしてこの国に存在します。ホンダブランドで使われているのは、シビックやアコード、ジャズにブリオ…と様々です。原付バイクもインドネシアでは人気です。
 

 ホンダの新しい工場は、インドネシアの人々の日常の交通手段の需要―不快なジャカルタの交通状況に耐えられる小型で低燃費の車―を満たしてくれることでしょう。

(アジアクリック・インドネシア担当/ロナルド)

日本とインドネシアの合作テレビドラマ。映像ものの効果はいかに?

 Selamat pagi(スラマッパギ)!インドネシア担当のロナルドです。
 私は先日テレビで一本の良いドラマを観ました。それは“Aishiteru”(『愛してる』)というテレビドラマで、日本とインドネシアのテレビ局の合作によるものでした。

 このドラマは日本とインドネシアの国交樹立55周年を記念して作られ、内容は日本人男性とインドネシア女性とのロマンス。ヒロインの女子学生が研修中のテレビ局に、ヒーロー役の男性が太平洋戦争で従軍記者として活動してのちに行方不明となった祖父を探しに来るところから始まります。初めのうちは衝突していた2人が、だんだんと愛を深めていく…という展開。

 最も印象的だったのは、主人公の行方不明だった祖父の運命に関するところでした。彼は非常に高潔な精神の持ち主で、インドネシア人の家族を保護していました。ドラマを観る前に調べていて知ったのですが、ドラマのなかに限らずこうした日本人は実際に何人かいて、インドネシア人のなかでヒーローとなっていたそうです。また、太平洋戦争が終わったあともインドネシアに残り、インドネシアの独立戦争に参加した元日本兵には、インドネシア人として称えられ、英雄墓地に葬られている人もいるそうです。

 ドラマでは、そのストーリーや登場人物の芝居に心が惹きつけられました。大きな映画館でやっているような映画ではないけれど、いつまでも記憶に残るようなドラマでした。インドネシア人は映画もドラマもよく観るので、こうした映像を用いたキャンペーンなどはきわめて有効だと思います。

(アジアクリック・インドネシア担当/ロナルド)

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